夢の現実
私の人生は30年周期です」と言うと、たいていの方は訳のわからない顔をされます。
この<人生30年周期>とは、偏見に満ちてはいますが、
私個人にとっては確固たるものなのです。
つまり、産まれて30歳までが<人生の第一期>で、ここでは経験を積み、
悩みに悩む時期なのです。
私の場合、人との付き合い、友人関係、やりたいことへの模索、
長期の海外放浪、結婚、出産、離婚・・・・・・と、悩みと失敗のくり返しでした。
今思い返しても、若さにはなつかしさを覚えますが、
もう一度この時期に戻りたいとは思いません。
30歳になり、<人生の第二期>を迎えると、いろいろとあったものの運命だったかのように、
歯学部へ入学しました。
そして36歳で卒業すると、”渡る世間に鬼はおらず”、
2つの診療所を持ち、住みかを手に入れ、娘は歯科医師になり、
尊敬すべき師と多くの友人に恵まれ、世の中が一気に広がりました。
この時期は努力と爆進、世間と自分との勝負の時期だったように思います。
その努力や勝負にアタフタするうちに、
アッという間に第二期の終わりに近くなってしまいました.。
(今のところ56歳です)
私は常に人生の目標がないとダメな人間のようです。
そのため、次の<第三期>をどう生きようかと日々考えておりました。
今までにも、何度かそのことについて書いたように思いますが、
目標が仕事に結びつくものはひとつもなく、
「外国で暮らしたい」とか「ボランティア活動をやりたい」というように、
夢のまた夢のように漠然としておりました。
ところが、今年のお彼岸を迎える頃、
友人から銀座のど真ん中のテナントを紹介されたのです。
聞くなり、やりたくてやりたくて仕方がない気持ちが抑えられません。
そこで、ときどき登場する霊感鋭いYさんにおうかがいをすると、
「天井さん、今日はお彼岸です。
ご先祖様があなたの背中を押してくださっていますよ。
頑張ってみてはいかがですか?」
私を育ててくれた「ときわ歯科」は大好きです。
でも、時の流れで、ビルの下はコンビニになり、通る人の層が変わり、
私のやる気も変化してしまいました。
そろそろ、現実的にも<第二期>の終わりが近いのかもしれません。
先ほど、まるで私の気持ちを見透かすかのように、
久しぶりの患者さんが飛び込んでこられました。
「先生の本を読んでいたら、もしかしたら、
どこかへ行ってしまうのではないかと心配になって来てみました。」
「あったり!近いうちに銀座に出ますよ」
「やっぱり!行きます。行きます」
「ありがとうございます。でも、どうしてわかったのかしら?」
「先生はそういう人なんです。」
なんだか、患者さんに自分のことを教えられてしまいましたが、
長い付き合いとはありがたいものです。
私は銀座の診療所を、私なりの、私のための診療所にしようと思います。
今までもそうであったように、明るく、楽しく、心地よく、
患者さんは歯科医院にいることを忘れ、
私も仕事をしているよりも一番好きな事をしている気分になれる、
そんな診療所を作るつもりです。
<夢の実現>
今、まさにその過程にいます。
今までの夢のまた夢をあきらめたわけではありませんが、
これからの10年は、残っている元気を仕事の夢に使ってみることにしました。
なんだか、定年間近に転職したサラリーマンのような心境がしないでもありませんが、
仕事にやる気が出るのはいいことです。
大学を卒業してすぐに、仕事と勉強のために東京へ出てきました。
勉強の師匠(河辺清治先生)は、銀座の真ん中で開業しておられました。
私はいつか、自分もこの銀座に診療所を持ちたいと儚く(はかなく)も思ったものです。
<人生の第三期>は、思いがけずその儚い夢の実現です。
望まなければ叶いません。
結果はどうあれ、夢は今、叶いつつあります。
叶う嬉しさにワクワクしています。
どうせみるなら夢のまた夢
どうせ散るなら銀座で咲いて・・・・
銀座で散ろう・・・・
カッコいいなあ~・
久代ちゃん、頑張れ~。