No.11 ブルータス、お前もか!
以前ある先生(男)と話をしている中で
「最近歯学生の4割が女性だそうですよ」
というと、即座に
「そう、そう、だから開業医が減っていいことなんだよ」
と言われました。
私は愕然として『ブルータス、お前もか!』の心境になりました。
私達二人姉妹の両親(父は東京医科歯科大卒)は、
私と妹を女だからという理由で叱ったり、
行動を制限したことは一度もありませんでした。
それより父は小学生の私を趣味の「鮎釣り」に同行させたり、
歯科医師会で行われるソフトボール大会に出場させ、
ライトを守らせたりと、性別の差をまったく感じることなく育ててくれました。
長じて私達姉妹が、一人前の開業医として頑張っておれるのも、
両親の教育のお陰だと感謝しております。
特に母は
「これからの女は手に職を持ちなさい。
手に職さえ持っていれば好きな人生を生きれます」
と言い続けていましたが、今では
「あなた達二人を歯科医にして申し訳なかった。
こんなに大変な仕事とは思わなかった・・・・」
と訳の分からないことを言い始めています。
とにもかくにも私達姉妹の頭の中には男女の比はありませんでした。
ところが世の中に出て働き始めると、世間の風は冷たく、
お陰さまで妹は太り、私は髪振り乱し、孤軍奮闘する日々となってはおりますが・・・・・。
3年程前、過去10年間の女性歯科医の動向を調べたことがあります。
その結果、女性として開業しているのは各学年2人弱でした。
女性は家庭を持ったり、諸事情で大変かと思いますが、子供による繋がりや、
ご近所のお付き合いの中で「歯」に対する啓蒙をしてみませんか。
地域に溶け込み、歯について草の根運動をすることが、
ご主人の診療所を繁栄させることになるかもしれませんよ。
せっかくの資格を生かしてみてください。
私の後輩が昨年離婚しました。彼女は今、生き生きと働いております。
「先生、私、働くことがこんなに楽しいとは思ってもいませんでした。
いろいろありますが、今が一番楽しいです。
何とかなるものですね。 今度、食事に誘ってください」
本当に良かった。
良かった・・・・・・。
ブルータス、君の失言は許さないぞ!!