vol.5　『My way』

５、４、３、２、１ Happy new year!! 　
チャプラヤ川を挟んでオリエンタルホテルと
ペニンシュラホテルとシャングリラホテルとの
競演の花火に夜空が埋め尽くされ、バンコクのお正月は明けました。 　
力強い花火の音に『蛍の光』の曲がかぶり、次に『My way』が演奏されました。
　18年程前、初めてこのバンコクのオリエンタルホテルで正月を迎えた時、
『蛍の光』の後に流れた曲は『We are the world』でした。
日本の“ゆく年くる年”で聞く108の除夜の鐘の音しか
正月の音として記憶のないわたしは、
爆発する花火の連打音と“We are the world”の曲に感動して、
涙がにじんだことを覚えています。 　
『My way』 　日本的には“我が道を行く”とでも言いましょうか…、
わたしは毎年こうして海外で正月を過ごしています。
海外での年越しの感動を求め続けて20年近くなりますが、
このような正月のイベントのおかげでずいぶん助けられました。 　
まず花火と共にイヤなことは全部パーっと忘れられます。
そしてまたここに来れた運の強さに感謝して、
これから一年の目標を、来年また来ようと誓うことから始めることができます。
そして年に一度、正装するおしゃれの楽しみも…。 　
『My way』 　今年は今まで以上に仕事に人生に恐怖心を持っています。
先日、銀座で６年間頑張ってきた女性の先生が銀座から撤退しました。
４月から保険請求が改正されます。
それに相変らず借金があり、預金が増えません
（これだけ浪費していれば当たり前ですよね）。
更に仕事に緊張して疲れます（年だからかしら…）。 　
『My way』 　昨年末から、良いスタッフたちが集まり、
皆仲良く、やる気に満ち、診療所は明るく仕事を楽しんでいます。
そしてここ数年、全体的に総収入が減少気味というなか、
有難いことに当法人は一定レベルをキープしています。
毎日、仕事に流されることなく苦労と勉強と充実感に刺激されています。
　『My way』 　一面花だらけの庭の中に小さな家を建て、
一日中植木やバラの手入れをして、シンプルだけど美味しい料理と、
お菓子を作り、犬とたわむれ、一日に一本の映画を観て、
一週間に一冊の本を読み、家や洋服をリフォームしたり、
気に入った生地でカーテンやベッドカバーを作り、
年に二度程世界遺産をたずねるという理由で旅に出て、
できれば南の国で死にたいものです。 　
と、年の始めには恒例のごとくいろいろなことを思いますが、
特に今年は考えねばならないことの多い年になるでしょう。
年金、介護、保険点数問題はクーデターものだと思うのですが、
日本人は本当に大人しい民族なのか、
国政と官僚に対してあきらめ気味なのが不思議です。 　
チマチマとした点数計算の中でわたしたち歯科医は
すっかり骨抜きにされてしまったようです。
結局官僚達は我々よりも利口で、
歯科医の行く末は真っ暗だということなのでしょうか…。 　
毎日々々の自転車操業にアップアップしながら
保険点数よりも高くつく技工料を払ってまで「咬めます！」と
喜ぶ患者さんの顔に満足しなければならず、
“患者さん”を“患者様！”とまで呼んで、
これがなりたかった歯科医の姿かと、
歯を削るより身を削りつつ無理矢理納得させられているわたしたちは
もう爆発寸前です！！
　そんなの関係ねぇ～
　　そんなの関係ねぇ～
　　　オッパッピ～
とあくまで『My way』なわたしですが…。
今年もよろしく。