vol.6 第3期青春時代
私にとって0歳から30歳までの第1期青春時代は辛い時代でした。
小学生時代は天才と疑われ常に学校の代表を務めながらも、
中学へ入ると突然、陸上、バレーボール、卓球、バスケットと
部活に目覚めて成績はガタ落ち…
それでも3カ月間の受験勉強で進学校へ入学。
高校時代は陸上部へ入りながら、文学少女に変身し、
片っ端から世界文学、日本文学全集を読破しつづけ、
人生のなんたるかを考え込んでしまう毎日でした。
3年生になり、大学受験を控えたある日、
親から顔も見たことのない“いいなづけ”の存在を知らされ、
「歯学部へ行く必要はない! どこかの短大を早く出て、
“いいなづけ”と結婚しなさい!」
「そんなバカな!!」
泣いて嫌がっても認めてもらえず、私は実家から逃げるように短大へ走り、
そこで歯科衛生士の資格をとると、
そのまま4年制の大学の経済学部へ飛び込みました。
この間に“いいなづけ”はもっといい条件の家へ養子に行き、
私との話しはチャラ~。
「それみたことか!」
それからは幼稚園の頃から描いていた油絵三昧で、
個展を開き、大学卒業後、
本物の絵を見たくてヨーロッパへ放蕩の旅に出かけたのです。
ついでにロンドンの語学学校へも入り……
半年後、日本へ帰ると、以前から付き合っていた男に
『僕を遊ぶ気か?』と男らしくない言葉で言い寄られて出来ちゃった婚!
すると〈亭主仕事辞める、私働く!〉で1年もせずに離婚。
さらに実家では歯科医になっていた妹が好きな人が出来て、
家を出ていくという騒ぎが勃発。
跡継ぎに焦る父に言ってしまった私の一言、
「妹の好きなようにさせたらいいじゃあないの。
私が歯学部に入って家を継ぐわよ!」
「入れるものか!」
「入れるわよ!」
と売り言葉に買い言葉!!
数ヶ月後、私は歯学部へ入学しました。
1歳半になる娘を母に預けて、30歳でした。
ここから第2期青春時代が始まります。
悩みながらチグハグに生きてきた1期の30年間と違い、
第2期はひたむきに歯科医人生まっしぐらの30年間でした。
ひとまわり年下の同級生と遊び惚け、36歳で卒業すると、
義歯の勉強のため東京の河辺先生の臨床教室へ入門するため
2年間の約束で東京へ出て、
3年後、勤めていた医院を買い取り、
その2年後に2軒目を開設し、
引き取った娘を歯学部卒業後、トロント大学へ通わせ、
狭いながらも買ったマンションのリフォームが世に受けて、
インテリアデザイナーと呼ばれ、
そのまたマンションの広いバルコニーでバラを百鉢育てた成果がプロ並みで、
ガーデナーとも呼ばれ、アフリカで撮った写真が大好評で、
ついでに本を書きエッセイストとまで言われ、
歯科界に“天井あり”と言われているような、いないような…?
さらに歯科医としての散り場所を銀座と決めて
3軒目のクリニックを開設して……60歳!
さあ、やっと私の第3期青春時代が始まりました。
先ほど、ジャズの個人レッスンの予約をしました。
これからの30年間はジャズ歌手もいいかなと思っています。
ブスで老いた女の歌うジャズはサマになります。
“昔、私が若くてきれいだった頃……。
モテたのよ、モテたのよ。
今はこんなに老いぼれちまったけど……”
なあんて、シブく歌うなんて絶対心に響きます。
皆様はきっと1期目の青春時代か、2期目に入った頃と思われます。
どうか充実した毎日をお過ごしください。
いつか各期をもっと詳しく書いてみますね。
ぜひリクエストをお寄せください。
楽しみにしています。
さあ、出かけよう!!
あと30年しかありませんから、ちょっとあせります!!