vol.10 福岡の夜
5月の末に福岡へ同窓会(北海道医療大学)主催の講演を依頼されて出かけました。
1部:医療島からの手紙
(映画「硫黄島からの手紙」にひっかけて題名をつけてみました。
マイナーな医院を活性化させるために私たちが取り組んだ実践話です)
2部:義歯=訪問治療に行くために
(義歯が出来なければ歯科医じゃあない。
そして、増歯や修理、排列までも自分で出来ないと話になりません。
臨床的な観点から明日から役立つ義歯のお話です)
3部:審美歯科
(美しくなければ前歯といわない。
咬めなければ臼歯といわない。
自費診療へ導くヒント盛りだくさんのお話です)
計3時間の講演は居眠り1人出さず、好評に終わりました。
「いっぱいメモしました。勉強になりました。有難うございます。
先生のような人が先輩にいたなんて誇りです。今夜は最後まで付き合います。
今日は卒業して1番楽しい日で~す」
と卒業して5年目の男の子に言われた時は、嬉しくてドキドキしました。
さて話を戻して、先日、ある学会の反省会の席のことです。
反逆精神旺盛な私は近くの席の先生を相手に燃え上がりました。
『なぜ、国が地方がそうだからと後ろ向きなのですか?
医科はサッサとメタボリックシンドロームを掲げて検診患者を増やし、
メタボ管理が出来ない人を多く抱えている会社の保険負担を増やそうという、
グッドアイディア増患対策をしています。
歯科も歯周病シンドロームとか、カリエスシンドロームとか言って、
歯科検診の制度化を進めるべきなのです。
そして検診しない人の補綴は保険外と認めれば、
明日から待合室は焦った患者さんで満杯間違いありません。
こうなることをメタボンシンドロームといいます?! オット!!』
つまり、このことは医者の方が、先を見る目があり、
歯科医は、相変わらず過去にとらわれた“井の中の蛙”ということでしょうか。
歯科医師会のお偉いさん達、Iさんという議員さん!
もっとしっかりしてくださいよ。
組織や仕組みに入ろうとするから時間がかかるのです。
外せばいいんですよ。
外すのに時間はかかりません。
自分の身体の管理は自分でしましょう。
自分の口の中の管理も自分でしましょう。
そうしないと保険で面倒を見ませんよ。
75歳まで生きたら、それで十分ではないですか。
それ以上はお金が必要です。
石油が値上がったから、なんでも値上げをしましょう。
だって石油が値上がりしたんですよ………???
義歯が出来ない人がインプラントをするのです。
義歯もインプラントもしたことがない先生が本当は1番偉いのに、
インプラントばかりをしている先生がお金持ちで、そうでない先生は貧乏です。
訳の分からない世の中になってきましたねぇ……
福岡で、大学出たての元気な後輩達を見ていると、私も元気になっていました。
もしかしたら、これからの歯科界を変革するのは君達かもしれない!
君達の《患者を治したい! どうしたらいいんだろう》という素直な疑問と、
《いい治療をしたい》という立派な志があれば、歯科界は救えるかもしれない!
そして福岡の深夜3時、私は三次会の最中、お持ち帰りもせず、
そーっと1人タクシーでホテルへ戻ったのです。
お疲れさまでした!