vol.18 エビフライ
前回『歯科難民』についてお話しをしましたね。
その最後のケースのCさん
(3年以上の矯正の結果、咬めなくなり、困り果てて来院された方です)
の治療が始まりました。
Cさんの御主人と矯正の先生との話し合いがどのようになったかは、
私の関知するところではありませんので、
事前にCさんに治療のみに専念させてくださるようお願いをしておきました。
治療開始日、前歯6本と両側の臼歯部の形成とテンポラリークラウンによる挙上が
全て終了するのに3時間半かかりました……。
するとその日の夜、私のケータイにCさんからメールが入りました。
以下、そのメールの写し書きです。
(タイトル)“エビフライ”
『天井先生、本日は長いお時間をかけて私の為に治療して下さり本当に有難うございましたm(__)m
奥歯が咬み合うってこんなにすごいことなのですね。
お夕食のエビフライを奥歯でしっかり咬みました。
まさに天国と地獄の差です!
先生、どんなお礼の言葉でも形容できません。
こんなことを申し上げるのは失礼かもしれませんがあえてお伝えさせて下さい。
先生の全く無駄のないスピーディーで正確なスキルの高さ、
それに私に与えて下さる安心感、先生の手の心地良さ、
こんな経験はこれまでの人生で初めてです。
全く未知の世界でした。
天井先生は歯科医としてだけではなく、
メンタルも内科的なことも全て診て下さっていると思います。
私にとって、やはり一期一会です。
神様のお導きでお会いできたと思います。
前歯はもう慣れてきました。
右肩も降ります。
下顎に今までの変な癖がついているのでトレーニングを頑張ります。
こんな明るい私はいつ以来!!
先生は女神様みたいです。
感謝で一杯です。
明日もしっかり家事を頑張ります。
本当にありがとうございました。』
ちょっとはずかしい気はしましたが、
私はこのメール『エビフライ』をスタッフ全員に転送しました。
なぜなら経過を心配していたスタッフ達と共にCさんの喜びを共有したかったのですが、
スタッフ達はタイトルの『エビフライ』に、
院長の私が何を書いてきたのか心配したそうです。へへへ…
先週はほとんど毎日、困り果てた患者さんがかけ込んで来られました。
全員が御紹介ということもあり、セカンドオピニオンです。
初回にレントゲンと模型をとり、軽いお話しや雑談で帰っていただきます。
2回目に、事前に作成しておいた“前”“後”の模型で、どこに問題点があるのか、
どうしたらいいのかを詳しく説明し、患者さんの不信の原因を解明すると、
必ず全員にこう言われます。
「先生、もう歯には一杯お金を使いました。どうか、まけて下さい!!」
まず、ダメな原因を取り除く事に、今まで払った金額の同額をいただき、
そこから私の治療が成り立つので、改めて見積もりを提示するのが本当だと思うのですが、
涙を浮かべる患者さんを前にすると、
ウデも無いくせにボッタクリの歯科医に腹が立ちながらも、
「有難うございます。銀座にしてはお安いですね!」
と言われて、同業者の後始末を引き受ける私は歯科医達の“お助け女神”か!?
(現状の治療にお悩みの方は、お気軽にご相談下さい)という看板を出した以上、
覚悟を決めて日々精進する私ですが、本音はストレスの塊です!!
8月2日に(義歯について)
8月30日に(クラウン、ブリッヂについて)
技工士さんとコラボ講演をします。
もちろん自費治療のすすめ方のお話しも…いずれご連絡いたします。
きっと患者さんに喜ばれますよ。