vol.22 立候補
なんだか知らないうちに夏が終わり、お決まりの秋が今年も訪れましたが、
実は私の今年は大殺界の真只中だそうです。
そう言えば、最近の私は運が悪いとしか言いようのない患者さんに困り果てています。
良かれと思い治療をしても、ヨシ!と思っていただけない方がおられます。
本当に私たちの仕事は歯を削るよりも、身を削る仕事なのだということを
つくづく思い知らされます。
さて、そんな事をつぶやいているうちに、世の中は大変革の真只中、
自民党は惨敗して民主党が圧勝しましたね。
実は私は昨年の秋頃、民主党に決意文と履歴書を提出し、
本気で民主党から立候補しようとしていたのです。
当本部から呼び出されて、いろいろと聞かれ、
更に『現在まで築いたものは全部失いますよ』
『お金は出せませんので、預金は無くなります』
『今から立候補だと年を取り過ぎていますね』
『世の中に顔が売れてませんね』と
言いたい放題の彼等にだんだん嫌気がさして、立候補することをやめました。
結局、政治家の世界って、自分たちの党の言いなりになりやすい人を選ぶのでしょうかね。
民主党に出した決意文を後から読み返してみると、まるで党首の声明文のようで、
偉そうな事ばかり書いてあり、とても素人の立候補者のものではなく笑ってしまいました。
これじゃあ、彼等はアッケにとられて、笑いをこらえていたのかもしれません。
と思うと、あっけない程サッパリして、立候補のあきらめがつきました。
私は今回の選挙は“みんなの党”に入れましたが、開票後、
みんなの党で立候補していれば、確実に当選できたのですよね。
「惜しかったなぁ~」と今度は少し悔やんでしまいました。
ところで歯科医師会に入会されている皆様は、今回の自民党の惨敗をどう思いましたか?
医師会はサッサと選挙前に民主党に鞍替えをしたのに、
相変わらず自民党ひとすじの歯科医師会に、私はあいそをつかしています。
つまり歯科医師会の政連を脱会しようかと考えています。
なぜなら、医療費の削減ばかりを叫んでいるだけの自民党の医療に対する無策ぶりに
あきれ果てたからです。
これは私の独断と偏見の持論ですが、保険診療が出来高払いというのが問題なのです。
カリエスを見つけたり、歯周病を治療しないと…
つまり、かぶせものをしたり、歯を抜いたりしないとお金になりません。
この出来高払い方法を…
つまり歯科医療に割り当てられている保険料を予防にシフトさせて、
それでもカリエスや歯周病になった方には、保険で保証し(負担金を高くして)、
かぶせものや義歯などの補綴はリハビリと考え保険外にするとよろしいかと……
つまり、行き着くところは、保険が利かないとなると、
皆、予防に熱心になるのではないでしょうか。
このようなシフトによって、潜在患者の掘り起こしが出来、
来院患者数が増えることになると思います。
10点、20点の保険改正に目の色を変えるより、
もっと抜本的な保険制度の改革を考えねばならない時期にきているのです。
もうずーっと前から、私はこのような事を言い続けているのですが、
ハデだけのいでたちと直情的な発言ばかりが目立ち、
いまいち皆さま方から賛同を得られないのがちょっと残念です。
政治が動いたのです。
私たち歯科医師も動きましょう。
このままでは、ますます歯科界は暗くなりますよ!
やっぱり立候補すべきでしたかね!!