vol.28 クレド
春が来て君は綺麗になった~と、言われなくなったのは、いつ頃からかしら…
やれやれ、おかげさまで新旧のスタッフの入れ替えもうまくいき、
埼玉の診療所は娘が院長をやることになりました。
困った時の神頼みでもあるまいし、娘が働くなんて!! とハラハラしましたが、
実のところ娘は本当によく頑張っていて、
親バカと言われようとも褒めてやりたいと思っています。
先日、『ハートロッカー』の映画(時限爆弾処理班の映画)が封切りになったので、
娘を映画に誘うと
“ママ、私の毎日の仕事が時限爆弾の処理をしているようなものなので、
今のところ観たくないです”
と断られ、院長として働き始めて2週目には血尿が出たとか……。
“精神的には、やる気満々で楽しいんだけれど、身体がついて来ないみたい……”
……なんだかかわいそう……
彼女の現在は、誰もが乗り越えなければいけない現状なのでしょうが、
今まで他人任せや出来ることなら一生働きたくないと言っていた娘の変貌ぶりに、
驚くやら、有難いやら……
以前、私の母が“あなた方(私と妹)を歯科医にして申し訳なかった。
こんなに大変な仕事だとは思っていなかったのよ”
と言っていた事がありましたが、今、娘を見ていると、同業に育った子供の働きぶりに、
両親の気持ちが理解できた気がします。
私は親孝行をしたのかもしれません。
そして、持つべきものは子供ですね!
そういう事で、心機一転の意味を込めて埼玉の診療所は軽くリフォームをしました。
そして30冊の小冊子を用意し、全員に小さな手帳を渡して、
週に1回、ほんの一言の感想を発表させ、
それを各自の手帳に書き、その事に関する意見を書き、
押し付けではなくて、自らが作り上げる各自のクレドを完成させようと思っているのです。
(「『クレド』とは、リッツカールトンホテルの従業員の総てが
仕事の指針としている誓い事が書かれた小さな手帳)
今のところ、各自の手帳は3~4ページしか書き込まれてはおらず、
全員が同じことを書き取っている訳ではありませんが、
いずれこの手帳が真っ黒になる頃には、それぞれが思いをおなじくして、
仕事に励んでいるのではないかと期待しています。
このアイディアは、新しいスタッフと
長く勤めてくれているスタッフの心をひとつにするには良い方法だと思います。
ぜひ、皆様も試されてはいかがですか?
さあ次は“グチリ”です。
保険の点数が上がったのか下がったのか、
実質2%近くあげたと言っていますが、
100万円で2万円ですよ。
これで上がったと言うのでしょうか?
わずらわしい届出ばかりが増えて、
私のように年をとった者は早く引退しろと言わんばかりです。
そこで、もっと現実をはっきり自覚して、大きな声で言いましょう。
1.歯科医はこれでは食べていけません!
2.補綴を5年後には保険からはずしましょう!
3.全国民に安価な保険で良質な医療は不可能です。
4.義歯の補管が半年、クラウンの補管が2年。
この補管に何の意味があるのか、未だに分かりません!
5.上手な人と下手な治療が同じ点数に納得がいきません。
6.日本歯科医師会はどこを見ているのですか?
7.自民党でも民主党でもどっちでもいいですから、
まともな主義主張を持った人を選んでください。
8.きれい事を並べても現状は救えません。
9.歯科の世界しか知らない人は、井の中の蛙です。
大海を知る人の知恵を借りましょう。
10.歯科界で生きて行くための希望はなんですか?
あ~あ、先が見えないのは政治のせいではないようですね。
私のクレドはすでに真黒です!!