天ママStyle vol.50 勇気を持って!!
※デンタルサポート・コムネット TOGETHERに連載中の
『天ママStyle』の内容をアップさせて頂いております。
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土日の顎咬合学会で真面目に講演を聞いたせいか、
すっかり体調を崩し、熱が出てフーフーしています。
風邪をひいたかも知れません。
勉強はホドホド…が、一番ですかね。
(※この原稿を書き上げた後に、風邪ではなく盲腸(腹膜炎)と解り入院しました。スタッフ談)
ところで、久しぶりに同級生に会いました。
そして突然、こんな会話になりました。
「補綴は保険治療から外した方がいいですよね」
「当たり前じゃない! 厚生労働省も外すことなら喜んでやってくれるのに…。
どうして歯科医師会も歯科医師も、何もかも保険診療にしようとするのかしら。
どのみち自己責任の歯科疾患なのだから、『面倒を診るのも限度がある』といえば、
患者さんは必死で口腔ケアをし、検診、予防だけで潜在患者が来院するようになり、
患者さん喜ぶ、先生喜ぶ、歯科衛生士も喜ぶことになると思うんだけどなぁ~」
若いうちの大学6年間のすり込みには怖いものがあります。
【保険診療する人いい人、自費を勧める人悪い人】的なすり込みのため、
むし歯になってナンボ、歯は抜いてナンボで、
削ったり抜いたりしないと治療ではないということになってしまっています。
これは医療とは言いません。
・患者さんは、まず小さなカリエスで来院されます。
・とりあえず削り、レジンを詰めます。
・しばらくするとレジンの隙間から二次カリエスが発生し、削り、 インレーになります。
・また、隙間からのカリエスで、今度はクラウンになりましたが、
ヘタな形成で急化Pulになり抜髄しました。
・根充の失敗で、しばらくすると急化Perになり、
同時に咬合 が合っていなかったためグラグラになります。
・とうとう抜歯に至り、両隣を削ってブリッジか、
インプラントか、義歯になることになりました。
ここまでで、1本の歯で何度美味しかったことか!!
最初の最初に、上手にレジンを詰めて、
定期的にケア―を受けさせれば、ここまでには至らなかったことです。
ところが、下手な人の治療も、上手な人の治療も、
保険では同じ点数というのが問題なのです。
つまり保険治療は治療のヘタな先生を儲けさせ、
カバーするものと認識しましょう。
先月、80歳近くの方が、前装冠が汚い色になったから治して欲しいと来院されました。
このお年で美を求めるとは、たいしたものです。感心しながらも、
「その歯頚部の黒いラインは(前の)先生の責任です。
汚くなったのは材料の責任です。つまり保険治療は、こんなもんですよ」
と申し上げると、
「では生涯に渡り、美しくしっかりしたものを入れてください」
と言われます。
私は彼女の年を知り、一瞬言葉を飲みましたが、
この方の美への追求は生の追求と思い、喜んで自費治療をさせていただいています。
きっと100歳以上、生きられることでしょう。
このように、どの方も話せばお分かりいただけます。
分からないのは歯科医師会です。
彼らは保険診療で食べている地方の歯科医師を守るためといいますが、
本当に守るべきは患者さんではないでしょうか。
患者さんに良い治療をし、再発せず、一生楽しくお食事、
会話をしていただくためには、
勇気を持って補綴を保険診療から外していただきたいと思います。
『3年後には補綴が保険診療から外れます!』
と明言すれば、歯科医院に患者さんが殺到します。
その間に、歯科医師は考えを改め、
良い治療と次に来る歯科界の風に乗るための勉強をすべきです。
私はこの事を、ずーっと何年も前から言い続けています。
(だから風当たりが強いのかも…)
このままでは歯科界は沈んでしまいます。
勇気を持って患者さんと、信頼をベースにしたコミュニケーションをとり、
自らのポリシーを自信に溢れる技と治療で証明しましょう。
患者さんは必ずついて来てくださいます。
そして”とりあえず(痛いところだけ)”という言葉を使われなくなります。
頑張りましょう!
患者さんの説得方法を知りたい方、質問のある方は、
私へメール、Facebookでご連絡ください。
太木数子として、答えてあげますヨ。