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天ママStyle vol.58 洋上より

※デンタルサポート・コムネット TOGETHERに連載中の
『天ママStyle』の内容をアップさせて頂いております。
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天ママStyle vol.58“洋上より”
最近、臨床医にとっては基本的な印象の採り方、
形成の仕方等のセミナーが盛況だそうです。
良い事ですが、あまりに当たり前で、
わざわざセミナーに行かなくとも、日々の研鑽で学べることであり、
研修医時代に何をしていたかと疑いたくなってしまいます。
当医院にも4月から研修を終えた新人歯科医がやってきました。
その先生に、まず最初に私が言ったこと!
「今まで学んだと思ったことは、全て忘れてください。
どのみち、たいした事を学んで来なかったはずです。
ここでは、常に〈なぜ〉〈どうして〉と思いながら仕事を覚えてください!」
数日経過すると、新人先生は言いました。
「先生! 目からウロコです」
「当たり前です。ウンコではありません!」
(新人歯科医への10ヵ条)
1.ありがとう、すみませんをきちんと言ってください。
2.休みは日曜のみです(当分…)。
3.休み時間はあなたにはありません。
4.保険請求のバイブル『赤本』を読破し、理解するようにしてください。
5.初診、再診の問診が任せられるようになってください。
6.全歯の歯型彫刻をするように、それも速く削れるようになってください。
7.スケーリングを積極的にやるように。
8.印象材やセメント類を量や硬さを考えて、完璧に練れるようになってください。
9.模型をキレイに製作してください。
10.毎日、質問をしますから、その答えを考えて来てください。
さあ、この新人歯科医が、いつまで持つか楽しみですね。
こんな当たり前の事が、今の新人先生達には大変なようですが、
〈働く〉っていうこと、〈患者さんの口の中でタービンを動かす〉っていうこと、
さらに〈お金をいただく〉ことが、
どんなに大変なことか…を覚悟させるためには、
以上の基本はまずクリアさせましょう。
年末から募集し、ほんの少しの期間だけ雇ったことになった衛生士達は、
全員辞めてしまいましたが、長年務めてくれている衛生士が3人目を出産し、
4月から生後2ヵ月の赤ちゃんを連れて出勤してくれています。
チーフがベビーベッドや何やら、赤ちゃんのためにと取り揃え、
片手に赤ん坊を抱きながら受付をしていますが、
時々、赤ん坊と犬達の大合唱で、保育園か動物園か…診療室は大騒ぎ!!
それでも患者さんは「楽しそうね」「先生のお孫さんですか?」
「いいわね、赤ちゃんと一緒に働いているの?」と、
皆さん笑顔で声を掛けてくださいます。
神経質にカリカリと仕事をするのは、どっちみち性には合いませんので、
赤ん坊や犬達の鳴き声で活気の出た(?)診療室を楽しむことにしています。
地域に根付く…とは、懐の深い診療姿勢をいうのではないでしょうか…。
生まれたての赤ちゃんが傍らにいるのもいいものですよ。
この原稿が、皆様のお手元に届く頃、私は地中海の海の上でクルーズを楽しんでおります。
当医院は年に2回、10日以上の休みをとることにしています
(その合間にもチョコチョコと休んではいますが…)。
全員で2つの診療所を休むのです。つまり、お金より休日を提供して、
リフレッシュを奨励しています。
本当はお金の方が良いのでしょうが…
ある時、8月1ヵ月まるまる夏休みにしようと提案したら、
全員に〈イヤ〉だと言われましたが…
…なんでやろ?
明日がどうなるか分からない「日本」「人生」です。
社会も政治も、何かがおかしいのに、誰も何もしません。
原発はいけない理由も原因もあるのに消えることなく、
国家予算は理由もなく消えていきます。
本当に不条理な世の中になったものです。
そこへ追い打ちをかける地震予測!
もう、どうとでもなれ! と思ってしまう今日この頃…
だから、いつ死んでもいいように、日々を楽しく生きるように努力しましょう。
仕事への努力も大切ですが、楽しく生きる努力はもっと大切ですよ…

と、洋上の船の上でつぶやいています。

カテゴリー:天Mama Style  投稿日:2013年6月10日