天ママStyle vol.91 “セッション1”
先日『始めなければ、始まらない』と称して、突然皆様に声を掛けたところ、数名の有志の方々が集まってくださいました。
これからの歯科界を夢と希望に溢れた業界にするためにはどうしたらいいのか! 何から手を付けたらいいのか! と日頃のうっぷん晴らしから始まって、ケンケン、ガクガク…話し合いの場を持ちました。
簡単に結論の出るテーマではありませんが、3時間あまりのセッションの間に出た意見(本当に、単なる意見です)をまとめて書き出してみます。
①出来高払いの保険制度を根底から見直す必要がある。なぜなら、現在の歯科保険制度は患者さんを守るためのものではなくて…歯科医の最低賃金を保障している。つまり“点数ありき”なので、上手・下手というより、補綴物の場合は安い技工所を選ぶことに苦慮し、技工物の質が落ち、技工士さんを困窮させている。
②歯科疾患は自己責任の疾病なので、予防すればある程度は防げるはずのものなのに、それを保険診療に組み入れること自体が矛盾している。
③予防を保険でカバーして、補綴物を保険診療から外す方が患者さんのためになるかも。
④歯科医師はコストパフォーマンスを勉強するべき。
⑤民主主義の社会で、なぜ突然保険診療という社会主義が入っているのか…。国民皆保険という制度が、“予防”という概念をうやむやにしている(すべて保険でカバーすること自体に無理がある)。
⑥海外の歯科事情の勉強をすべきである。例えば、ある国では低所得者は無料で受診できるが、大学の研究生の対象となって、歯科医師の技術の向上に貢献している。もしくは年に数回、きちんと検診を受けている方がむし歯や歯周病になった場合は無料で治療を受ける事ができるが、まったく検診を受けていなかった人の場合は全額有料となる(ドイツ)制度があったり、歯科衛生士が開業しており、そこでスケーリングや検診を受け、治療が必要な場合は紹介状を持って専門歯科医へ受診する(カナダ)ことをシステム化している国が多い。
⑦これらの場合の治療費は、非常に高額なので任意の一般の歯科専門の保険会社に入っておく必要があるので、全体的に国民のデンタルIQが向上する。
⑧とはいえ、人口もむし歯も減少する世の中では、医学部歯学科がいいのではないか(この場合、6年間という期間をとる)。
⑨TPPが導入された場合のことを考えて、医療体制を考え直す必要がある。
⑩地方の方々(保険診療のみの治療体系の方)の現状をリサーチする必要がある。
⑪将来の人口減少と歯科医師の供給比率を調べましょう。
⑫歯科界に詳しい方のお話を聞きましょう。
⑬一般の方々に、とりあえず歯の話をする機会を持ちましょう。
【総括】
歯科界に常日頃から抱く疑問、不安、疑惑の解明と、もしかして解決できるかもしれない事柄のあぶり出しをして、これからの歯科界を健全で希望あるものにしたいという思いで、皆様に声を掛けさせていただきました。
厚生労働省をはじめ、一体誰が何を考えて現在のような歯科界にしたのか!! なったのか!!
では、どのような歯科界が理想といえるのか!!
などを、他の国の実情から学んだり、内情に詳しい方のお話を伺ったり、違う業界の方々の意見を聞いたり、隣のおばさんの好きな歯医者さんの話に相槌を打ったりしながら、歯科業界に関わるみんなで模索してまいりましょう。
まずは、日頃の不満等を削除して、それを整理し、問題を明らかにする事から始めて、さらに日々の診療、経営等のお悩み相談、暴露大会的なセミナーも付け加えて、より身近な問題として捉えていきたいと思っています。
不平、不満を言う前に、1つひとつ解決する事を考えましょう。小さな声を大きな声にして…歯科界を動かせたらと思います。
始めなければ、始まりません!!
次回のセッションは11月13日(日)を予定しておりますので、ぜひ皆様、お集まりください。