天ママStyle vol.95 “キューバ”
今年の冬休みは、昨年の暮れからキューバに行っておりました。
サンディエゴに住む娘とハバナで落ち合い、クリスマスをハバナで過ごした後、クルーズ船に乗船してキューバを周遊しながら途中ジャマイカに立ち寄り、お正月のカウントダウンを船上で祝い、またハバナへ戻るという船旅です。
17~18年前に、メキシコシティでの学会後、キューバに飛んで以来の2度目のキューバ訪問は、予想に反して、とても楽しいものでした。
遠い国の、それも社会主義国というだけで、皆さんは“怖い国”というイメージを持たれるかもしれませんが、実はキューバはとても安全な国なのです。
町の至る所に監視カメラが設置され、要所要所に数名の警察官が立っています。ですから、私達母娘は夜中までウロウロ歩き回りましたが、他の国を歩く時に感じる怖い視線や危ない動きをまったく感知する事がありませんでした。
そんな心配よりも、町のそこかしこから流れてくるキューバン
ミュージックに思わずステップを踏んでしまっていたのです。
キューバは、カプチーノが美味しいです。たった1軒のチョコレート専門店には、常に長い列ができています。至る所でさまざまなバンドがキューバンミュージックを奏でています。CDをいっぱい買ってしまいます。Wi-Fi事情は悪いです。地ビールの工場があり、そのほとんどがスタイリッシュなカフェを併設していて、とにかく素敵です。
1950年代のアメ車が、今でも現役で走っています。そのアメ車がイケていてカッコイイのです。世界遺産のoldtownはタイムスリップの世界です。カメラ狂にはたまらない町です。
アメリカと国交を開いてまだ間のないキューバなので、訪れるなら今のうちですよ。この不思議な国が、不思議でいるうちに訪問してみましょう。旅の楽しさのすべてが味わえます。
年明け早々、相当に口腔状態の悪い患者さんが来院されました。
「あらあら、これじゃあ咬めませんね。何とかしなくてはいけませんね」「いいんだよ、俺もう70歳なんだから…」「なんという失礼な!! 私ももうすぐ70歳ですが、あなたのように人生を諦めてはいませんよ」「ヘ~ホ~」「まぁ、どちらでも構いませんが…人生を諦めている人に、何をしても仕方がありませんね」「ふーん…ちょっと考えてみるわ」
もう1人、年明けに見学に来られた歯科医師の方いわく「借金を抱え、考える事も多くて…大変なんです!」「で! どうしたいの?」「頑張ろうと思います」「それならば、火曜日か木曜日に勉強に来てはいかがですか? 教えてあげますよ」「チョット考えます」「何を考えるのですか?」「まだ開業して1年半なので、何をしたいのか思案中なんです」「もう1年半も経過しているのなら、少しは焦ったらどうですか?」「日々の診療に追われているものですから…」
何のために当医院へ見学に来られたのかは知りませんが、たった1日来て、何を得ようとしているのでしょうか…
日々借金を背負いながらも、なんとか生きている先生と、しっかり咬めなくても平気な人生を送っている患者さんにお会いするはめになり、新年早々うんざりしてしまいました。
いいですか、皆さん!
マイナーな人に会うとマイナーが感染(うつ)るので、なるべくメジャーな人に会うようにしましょう。ところが、マイナーな人はメジャーな人が好きで、すぐにくっついて来ますので、力強く振り払いましょう。よく覚えておいてください。
さて、また話を戻して、今回の旅先で会う皆さんが、私の年齢を聞いてびっくりします…《若すぎる》そうです…固定観念から抜け出して来たはずの旅人達が驚かれるのです。彼らは《どういう美容整形をして、何を飲んでいるのか》と必ず私から聞きだそうとします。
それこそ《悪い事ばかりして、男を食っている》とは言えませんので、笑ってごまかしますが、若さの秘訣の答えがキューバにある事に、私は気付いていました。
『彼ら、彼女達は、誰のマネもせず、人生を年齢で判断するわけでもなく、着たいものを着て、それをオシャレに見せます。次に、過労死するほど働かず、他人を羨まず、嫌な事があると踊って忘れ、歌って元気になり、ちょっと美味しいものが食べられたら最高の笑顔で笑い、葉巻なんてキャンデー代わりとうそぶきます』
こういう感覚で、私も生きていたいのです。だから、私は若いのかも……
キューバ大好きです。