天ママStyle vol.103 “50肩”
今年の7月からは毎月海外へ、学会や海や遊びとよく飛び回りました。
落ち着くはずの10月は義歯のセミナーで、今度は国内(大阪、広島、熊本)への出張が続きます。
その合間をぬっての仕事、仕事。最近は身体の節々が痛くて仕方ありません。
痛みに疎い私が以前、腹膜炎になった時など、放っていた虫垂炎を、腹筋もしていないのに筋肉痛と思い込み、わざわざお風呂であたためる荒療治で重症化し、5時間の手術に9日間の入院をしてしまいました。
今回もストレスによる筋肉痛に違いないと、朝晩ラジオ体操の1番と2番を「イタイ! イタイ!」と叫びながら手足を動かしておりましたが、一向に良くならず…。もしかしたらリウマチかもと病院へ行くことにしました。
そして、行ってきた結果!
なんと“50肩”だそうです。
「エ~先生、私、来年70歳なんですけれど」
おもむろに整形外科医は「30歳で50肩になる方もおられます」「ということは、私は若いということでしょうか?」「そういう証明をしている訳ではありません!」
レントゲンを撮り、神経ブロックの注射をしていただき、とりあえずリハビリを受けることになりました。医療人というものは不思議なサガを持つもので、整体師の所作や言葉のかけ方、内容等が、妙に気になります。
「天井様、私○○と申します。どうか怖がらずにお聞きください。まず本日、何をするかの説明からさせていただきます」「すみません、分かっていますので、説明は省いてやってください」「はい、ありがとうございます。では次に、触らせていただきます」「どうぞ…」「はい、ありがとうございます」「あの~、そのありがとうは結構ですけれど」「はい、ありがとうございます。そういたします」
なんだかイヤなムードです。
「お忙しそうですね」「はい」「何をしていらっしゃるのですか」「う~ん、歯科医師です」「そうですか…どこに遊びに行かれるんですか?」「すみませんが、リハビリに集中していただけませんか!」「はい、ありがとうございます」
「ところで、ここは痛いですか?」「痛いですヨ!」「肩の回りの筋肉が固まっているかも…、この痛さは長いのですか?」「どの位の期間を長いというのですか?」「イヤ、ソノ、アノ、いつ頃からかと…」「4~5ヵ月前からですが、これは長いのですか?短いのですか?」「………」「ところで、家に帰って自分でやるリハビリを教えていただけませんか?」
すると突然えらそうな声で、「三角筋、広背筋、大円筋、回旋筋腱板、棘上筋、棘下筋、僧帽筋を動かしてください!」
「はぁぁ~、ではその筋の動かし方をひとつひとつ教えてください!!」
私達の関係が最悪なものになったことは、誰の目にも明らかでした。
本当に医療に係わるのは難しいことなのだと、思い知らされました。きっとこの整体師は、いつも施術をしているおじいさんやおばあさん達と同じ接し方をしていただけだと思うのですが…相手が悪かった!!(笑)
ところで、歯科医師にもいろんな方がおられるようで…
つまり歯科界がどうのこうの言っても結局なんとかなっていて、何とか食べていけていて…。
保険診療より自費診療をと力説していた私は何をしていたのでしょうかねぇ。
一生懸命勉強をして、腕を上げて、金を儲けて、銀座で開業して、いい車に乗って、歯科医師にした娘はアメリカ人に嫁ぎ、専業主婦なって消えても、アクセク働き…難症例を嬉々としてとこなし…こんな私は特例なのでしょうかねぇ~。
何を言いたいのか、自分でも分からない…。
先日、大阪のセミナーに札幌で私のセミナーを聴いて、再度駆けつけてくださった先生のハガキをご紹介します。
『拝啓
天井先生におかれましては、いよいよご壮健のこととお喜び申し上げます。
さて、過日は大変貴重なご講演をいただきまして、誠にありがとうございました。おかげさまで、義歯治療がもっと好きになり、さらに技術を上げ、患者様に貢献したいと思った次第です。
今後とも、ご指導をいただきますよう、心よりお願い申し上げると共に、先生のますますのご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。
まずは略儀ながら、書面をもちましてお礼申し上げます。
敬具』
私はあなたのためなら、北海道まで飛んで行きますよ!